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地域に貢献できる人材育成を

 那珂川町の栃木県立馬頭高校は、普通科の教科に「農業」を取り入れています。収穫物を町給食センターに提供するなど、農産物を介した地域との連携活動は県内でもまれです。

 2023年度の「農業と環境」の授業では、主に3分野の活動を行いました。


前列左より深沢さん、髙野さん、浅野さん

 一つ目の「農業用アシストスーツ装着体験」は9月に開催され、2、3年生13名が参加しました。生徒たちがスーツを実際に装着し労力の軽減具合を体験。農業従事者の減少や高齢化が進む町の現状から、地域活性化の一つとして装着効果を検証しました。


 二つ目の「西洋露地野菜で町おこし」と出前授業では、6月と11月に収穫した計100キロの超大玉キャベツを町内の小中学校5校の給食に食材として提供。11月には3年生6名が町立馬頭小学校2年生を対象に「巨大キャベツとその仲間たち」と題して授業を行いました。深澤風翔さん(18)は「不安もあったが、子供たちが一生懸命に聞いてくれて嬉しかった」と笑顔を見せます。




 三つ目の「収穫体験交流」では、6月と12月に2、3年生が町内二つの認定こども園年長組と共に、ジャガイモや新タマネギの収穫を実施し、異世代間の交流を深めました。浅野菜々美さん(18)は、「子供たちとの交流を通じ地域に貢献することができた」とほほ笑みます。



 「農業と環境」を指導する平石厚夫非常勤講師は、「生徒たちの人間性や社会性などを養い、地域に貢献できる人材育成も目的の一つ。農業は地域との人的交流、観光資源の役割も担っていることを体験できたと思う」と話します。


 12月には23年度中の成果を福島泰夫町長に報告しました。福島町長は「普通科に農業を取り入れている高校は県内でも馬頭高校だけ。地域のために生徒たちが頑張っていることが非常に嬉しい」と話します。

 


 町長への報告を行った髙野麗音さん(18)は「22年冬に新ジャガイモの栽培に挑戦した成果が今年につながっている。『農業と環境』を選択し、貴重な体験をすることができた」と話します。


 「24年度は、真冬のジャガイモ収穫量における品種間の比較、ルバーブを使用した町オリジナルジャムの開発、地域コミュニティー食堂への食材提供などに挑戦したい」と話す平石講師。更なる地域貢献に熱が入ります。


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