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地域に根付く農産物 次の世代に思い紡ぐ

 市貝町田野辺の倉本祐樹さんと妻の芙美さんは、畑1.5haで露地野菜や大豆、小麦などを年間80~100種類を栽培。農薬や化学肥料を使わずに育て、定期的な宅配や自家農産物を使った弁当販売などに取り組みます。

「家庭で使い切れるよう、大きさも考えて収穫しています」と倉本さん夫妻

 国内の在来品種や伝統作物を中心に栽培する祐樹さん。「日本の各地域の食を支えてきた多くの伝統品種が、さまざまな理由から生産する担い手が減少し、絶滅寸前にあることを知りました。守りつなぐことは貴重と感じました」と話します。


 宇都宮市でカフェを経営していた倉本さん夫妻は、子どもの誕生や有機農法を実践する農家との出会いをきっかけに就農を決意。同町の「旬の野菜 爽菜農園」で研修を受け、2018年に移住しました。


 研修で学んだ作物本来の成長速度を促す方法を基に、環境に配慮した農法で栽培。落ち葉を堆肥や温床に使い、麦わらを自然物のマルチとして活用します。


 販売は個人向けの宅配が主体。食卓で楽しんでもうため、野菜の特徴や季節に合ったお薦めの食べ方を書いた手紙を添えています。「野菜の個性やおいしさを知ってもらえるように、丁寧に伝えることを大切にしています」と芙美さん。


 料理人や栄養管理士などの経験を生かし、予約制の弁当販売も行います。その日取れた野菜から献立を考案。飾り付けに里山の葉や花など取り入れ、見た目でも里山の風景を楽しめる工夫を凝らします。「畑と里山のつながりを考えていています。自然豊かな里山の景観を守りたいです」と意気込みます。


 この他、オープンファームを年2回開催。消費者と地域住民との交流場を設け、地域の活性化に取り組みます。祐樹さんは「環境や食べる人にも優しい農業を目指したいです。自然や地域に向き合った活動を、これからも積極的に続けたいですね」と意欲を見せます。


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