top of page
検索

計測機器で施設内環境をデータ化

 下野市磯部の田村浩之さんはイチゴ「スカイベリー」をハウス5棟20aで土耕栽培しています。「いろいろな仕事を経験しましたが、ものを作る仕事が好きだと思いました。縁があってイチゴ栽培を行う機会があり、自分に合っていると感じました」と話します。


 自動換気装置のほか、シーズン中はクラウド型モニタリング機器を導入。アプリで温度や二酸化炭素(CO2)濃度、土壌水分などがデータ化され確認できるといいます。

「農業は先行投資なので段階的に自動化や省力化に取り組みたい」と田村さん

 実家は小山市の牛肥育農家だが、農業に関わろうと思っていなかった田村さん。オーストラリアの大学を卒業し、海外勤務でさまざまな仕事を経験する中、7年ほど前から同市のイチゴ農家・石嶋元朝さんの作業を手伝う機会がありました。手伝う中で畝いっぱいに果実が実る光景などから、適正な管理と自助努力で驚くほどの成果が出ることに衝撃を受けました。


 イチゴは繁忙期を除き、基本1人で作業できることが多く、本格的な栽培意欲につながりました。石嶋さんから栽培する土地と近くの賃貸物件の紹介を受け、挑戦するチャンスを得たと感じ、2019年にイチゴ農家に転身しました。 


 田村さんは「知り合いがほとんどいない場所だったので人員確保が課題。最初は地元の知り合いに頼んで手伝いに来てもらったときもあります」と話す。JAうつのみやの部会や青年部に加入しましたが、コロナ禍で集まる機会が少ないため、部会の共同作業など情報交換ができる場を大切にしています。


後ろ盾は収入保険と園芸施設共済で


 田村さんが住む南河内地区はイチゴ栽培が盛んで大規模農家や若い農家も多くいます。「周りのイチゴ栽培の先輩たちに相談し、教えてもらっています。毎日が勉強」と話します。

 部会で農業保険の話を聞き、園芸施設共済と収入保険に加入しました。「1年目に大雨でイチゴハウスが水没した経験があり、自然災害や病害などリスクに備える保険が重要だと考えています」と話します。 


 今年から夏場の親苗を安定的に生産するため、空中採苗方式のナイヤガラ育苗に取り組みます。ロックウールを培地とする養液栽培で、ランナーが下に垂れます。タイマー式の自動散水で水管理し、採苗前には1日数回ミストをかけて葉をぬらします。


 「仕事を楽しめるような環境づくりを大切にしています。手伝ってくれる人たちの負担軽減や効率化を考えたいです」と田村さん。「今後は夏場に加工品の製造・販売やイベントへの出店などで通年でパートと作業できるような体制を築きたいです」と意気込みます。




bottom of page