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第三者継承で廃園危機救う 夢の果樹農家に

 「中学生の頃から農業に興味があり、いつかは果樹園をやりたいと思っていました」と話すのは、那須烏山市興野の中村麻衣さん。廃園予定だった阿相りんご園(阿相善一さん・節子さん)を継承する形で、2022年4月に新規就農しました。ナシ50aとリンゴ70aを栽培。果実の販売だけでなく、リンゴ狩りなど消費者との交流を大切にし、農業に日々励んでいます。

「中学生の頃からの夢が叶いました」と話す中村さん

ナシ系統出荷 リンゴ直売や果物狩り

 北海道で生まれ育った中村さんは、就職を機に宇都宮市に移住しました。フィットネス講師の仕事を17年間していましたが、子どもの頃からの夢だった果樹園に挑戦したいと就農を決意。果樹産地の那須烏山市を管内とするJAなす南に相談したところ、廃園予定だった「阿相りんご園」を紹介され、就農が決まりました。


 「56年間、リンゴ園を続けてきましたが、高齢となり廃園することを決めたので本当につらかったです。中村さんが継いでくれて感謝しています」と阿相さんはほほ笑みます。中村さんは「果樹は初期投資が多く、成園化して収量が安定するまで時間がかかるため、新規就農が難しいと感じていました。タイミングが良く阿相さんの園地を引き継げたので、とてもうれしいです」と話します。


 中村さんは農業の経験がなかったため、2021年にJAなす南や那須烏山市などが実施している新規就農者向けの研修プログラム「南那須農業アカデミー」に参加。ナシ農家の下での実地研修や、阿相さんの指導で栽培技術を1年間学びました。

 2022年4月に「体験型農園 フルーツファーム烏山」をオープン。5月に北海道から移住してきた母の由美子さんと2人で、ナシは「幸水」、「豊水」、「あきづき」を、リンゴは「秋映」、「シナノスイート」、「ふじ」など8品種を販売しています。


先代からの来園者も 交流を大切に

リンゴ狩りを楽しむ来園者たち

 「まだまだ分からないことだらけで不安があります。リンゴの剪定など阿相さんに手伝っていただいて助かっています」と感想を話す中村さん。ナシはJAなす南に全量出荷し、リンゴは直売所や果物狩りで販売します。リンゴ狩りには個人客のほか、幼稚園や小学校の子どもたちも訪れます。


 「リンゴ狩りには『阿相りんご園』のお客さまたちが変わらず来てくれていて、本当にありがたいです」と笑顔で話す中村さん。


 「果物を売るだけではなく、お客さまと交流することを大切にしています。今後はモモや柿、ブルーベリーの栽培にも取り組み、収穫体験を通じて、子どもから年配の方まで楽しめる農園を目指していきたいですね」と意気込みます。








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