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くくりわなでイノシシ駆除


 市貝町大谷津で水稲70aを作付する上野俊英さん(70)は、わなによるイノシシ駆除を2015年から行っています。


 大谷津地区では、近隣市町の巻き狩りから逃れた野生動物が山にすみ着き、15年ほど前からイノシシによる獣害が増え始めました。


 上野さんは近隣の3人でチームを組み、多い年で約200頭を捕獲します。


捕獲後はその場に埋設するか、那珂川町のイノシシ肉加工施設「八溝(やみぞ)ししまる」に買い取ってもらうといいます。


 ワイヤーを通したスプリングと塩ビ管を組み合わせたくくりわなを使用します。


市販では高いもので5,000円ほどしますが、トリガー部分を自作することで製作コストを抑えています。


 獣道が狭くなっているところに障害物を置き跨がせ、平地なら手前、傾斜地なら下側にわなを埋めます。「イノシシはほとんどが右利きです。イノシシの右前足が着地する位置に設置するのがコツです」と生態分析と技術向上に余念がありません。

 近所に住む農家の岩本勝一さんは、「上野さんのおかげでこの辺りでは獣害も減りました。助かっています」と笑顔を見せます。上野さんは「地域への恩返しのつもりでやっています。憎くて駆除している訳ではないので、毎回『ごめんなんしょ』と手を合わせています」と話しています。

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