「牧場のある場所は高台で周りに建物が無く、落雷が毎年発生します。落雷事故に備えるため加入しました」と話すのは、市貝町杉山の大場健一さん。弟の徳さんと和牛約150頭の繁殖・肥育一貫経営に取り組みます。

牛舎は2013年から火災共済に加入しています。牛の発情を検知するデジタル牛温恵や分娩監視用カメラの導入がきっかけです。
2021年8月上旬、落雷による過電流で井戸水をくみ上げる揚水ポンプが故障しました。「夕方の給餌後だったため、すぐには分かりませんでした。翌朝の給餌で牛たちが騒いでいて気付き、すぐにNOSAIと修理業者に連絡しました」と大場さん。
「当時は牛の給水が最優先。別の井戸からホースをつないで応急措置をとりました」と話し「牧場の外れに給水ポンプがあり、工作物として加入して直後の被害でした。加入していなかったら急な大出費だったので、とても助かりました」と振り返ります。井戸の復旧は3日かかり、ポンプ本体やブレーカーなどを交換しました。
同年の8月下旬には別の牛舎で落雷により新品の換気扇が被害を受けました。インバーターが故障。半導体の不足で、復旧は1カ月に及んだといいます。
大場さんは「デジタル設備が普及する中、修理費も高額になっています。安心して経営するためにも高価な設備を導入している人には、特に加入をお勧めしたいです」と話します。