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醸造用ブドウ6品種 夢はワイナリー開業

 市貝町市塙でブドウを栽培するKusakaVineyards代表の日下篤さんは、2016年に他業種から農業に参入し、ワイナリー開業を目指しています。Vineyardsとは英語で"ブドウ畑"の意味。「ワインは農産物」と語り、「農家のワイン」製造を目標にしています。

 前職では種苗会社で野菜の品種選抜や試験栽培などを担当していた日下代表。「全国の農家さんに種を預け、育てて頂くまでが仕事でした。預けた種は基本的に陽の目を見ないので、自分で育て販売する所までやってみたいと思い4年前に農の世界に飛び込みました」と就農のきっかけを語ります。


 農業では加工品などでバランスを取らないと年間の収入にばらつきが出るため、ワインやジュース、干しブドウやバルサミコ酢など加工用途の広いブドウ栽培を選択。現在は1.5haでワイン加工用のブドウ6品種と、生食用にシャインマスカットを栽培しています。

 「初めに農業振興事務所を訪ねましたが、熱意を確かめるためか厳しい意見を言われました。そこで奮起して県外の研修先を探しました」と話す日下代表。「農業を一生の仕事にするなら本場で研修を受けたい」と、ブドウ栽培が盛んな山梨県のブドウ農家とワイナリーで3年間の研修を行いました。


 研修期間は当時の青年就農給付金(現在の農業次世代人材投資資金)の準備型を活用。現在は経営開始型を使い、町の認定新規就農者になり青年等就農資金も借り入れ、ブドウ棚や機械類を揃えました。


 非農家出身のため農地は町の農業委員会と探したといいます。「ブドウは永年作物なので土地の賃貸契約が長くなる。地主さんの了解を得ながら条件の合う土地を見つけていった」と話します。


 消費者の力も活用しています。「通常農作業は誰も手伝いたがらないが、ワイン用のブドウだと都会の方やワイン愛好家の方が協力してくれる」と日下代表。フェイスブックなどで募集をかけ収穫を軽労化しています。

 2年目からワインの製造を始め、3年目となる2019年産では約2000本が完成。インターネット販売や飲食店、酒販店やアンテナショップ、ふるさと納税など、考えうる販売チャンネルはすべて使っています。現在は委託で製造しているが、醸造で一度手を離れるため、将来的にはワイナリーも経営し一貫した6次産業を目指したいと話します。

 「ワインは農産物だと思っています」と話す日下代表。「農家になりたくて就農しました。熱意がないと続けられない仕事ですが、情熱をもって続けていきたい」と意欲を見せます。

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