那珂川町小川の菊地俊成さん(55)方では、2004年にオランダのLELY製の自動搾乳ロボット「ASTRONAU A2(アストロノート エーツー)」を取り入れ、2017年からは後継機の「A3」を導入しました。
10年前には牛の飼養管理ソフトT4C(Time for Cows)を使い、1頭あたりの総乳量や搾乳回数、反芻時間などを管理し、搾乳牛62頭、育成牛46頭の飼養に役立てています。

「今は毎日牛群検定しているイメージですね。A3導入後は乳房から底面までの高さに関係なく搾乳できますし、初産後の搾乳率はほぼ100%です」と俊成さん。
「自動搾乳で空いた時間を牛のケアや観察、ベッドメーキングなど時間を費やします。人が管理する部分が最も大切です」と強調します。
俊成さんが牛舎全体の育成管理、妻の三重子さん(49)が子牛の管理、息子の雅輝さん(24)が搾乳ロボットでの管理を行います。
「導入以前、息子は小さく親の体調不良もあり、遅くまで作業していましたね。家族経営でやっていきたかったため、導入を決意しました」と俊成さんは当時を振り返ります。
現在は、乳量に応じて配合飼料を給餌できる他、首につけた発情探知システムで体温や反芻、行動内容を把握することで発情タイミングの検知が可能です。
1日1頭当たりの搾乳回数は平均2.6~2.7回。多い牛は5回搾乳することもあるといいます。搾乳量は27kgから多い日で33kg、年間では1万kgほどです。乳タンパク3.5%、乳脂肪4.21%ほどです。
「搾乳ロボットに全て任せるのではなく、管理のサポートとして位置付けています。常に牛に寄り添うことが何より大切です」と俊成さんは気持ちを新たにします。