1月にJA全農が主催する「第4回和牛甲子園」が開かれ、今年はオンラインで19県33校の“高校牛児”たちが集い、飼養管理発表や枝肉品評会が行われます。
19年度に枝肉評価部門で優良賞を受賞した栃木県立真岡北陵高等学校(真岡市)では、生物生産科畜産専攻の3年生3人が和牛の飼養管理に取り組みます。12年、同校では、飼育するホルスタインに受精卵移植(ET)をして生産した和牛子牛の飼養を開始。現在は繁殖牛9頭、肥育牛9頭、育成牛4頭を飼っています。

20年度の和牛甲子園には、鹿児島県から買い付けて肥育した去勢雄の「博28号」を出品予定です。田淵佑馬さんは「学校で生産者の立場を学び、自分が関わったものを食べてもらえる喜びに気付きました。前回より良い賞を目指します」と意気込みます。
「学校で和牛の魅力を知りました。発表を頑張ります」と舘野杏樹さん。荒井俊紀さんは「牛肉が好きで肥育に興味を持ちました。アニマルウェルフェア(快適性に配慮した家畜の飼育管理)に配慮した飼養環境の改善に取り組んでいます」と胸を張ります。牛の生活環境や人の作業効率向上のため、飲み水の衛生管理の改善や石畳の設置、敷料の増加などを行いました。
職員中心だった観察記録を生徒が付けることで情報共有を図るなど、学校側でも生徒の意見を積極的に採用したといいます。阿久津祥太実習教員は「20年度は新型コロナウイルスの影響で、和牛関連の行事はこの和牛甲子園だけです。3人とも朝早くから和牛の管理に精を出し、給水器の掃除など細かな点にも気を配っているので、気合十分です」と話します。
JA全農とちぎの担当者は「和牛甲子園が後継者の育成と、ブランド『とちぎ和牛』の振興につながれば」と期待しています。