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共同栽培で効率化 構成員は多品目に注力 所得が向上

 地域の農地を集積し、構成員17人で水稲43haと大豆27haの共同栽培に取り組む日光市芹沼の農事組合法人日光アグリサービス。共同栽培で経費削減と省力化が図られ、構成員は施設園芸や畜産といった経営の柱となる品目への注力が可能となり、個人所得の向上につながっています。水稲の収量と品質評価を加味した構成員への収益配分方法を採用。管理技術の高位平準化に努めています。

日光アグリサービスは、大区画圃場に整備した芹沼地区の農地のうち6割を集積している

米作柄評価基に収益配分 高位平準化へマニュアル


「農商工連携に積極的に取り組み、地域を盛り上げたいです」と沼尾代表

 日光アグリサービスは、圃場整備後に設立したオペレーター型農業特定団体が前身。「共同の力で地域農業を守り、豊かな生活の確立を目指す」を基本理念に、2012年に設立されました。沼尾一郎代表理事組合長は「法人化で農作業の効率化や経理処理の迅速化につながりました」と話します。


 法人化による省力化でイチゴやリンドウ、ニラ、アスパラガスなどの施設園芸生産、畜産に取り組む構成員が増加。個別経営の新たな展開を可能にしました。


 アグリサービスは水稲「コシヒカリ」と「ほしじるし」、酒造好適米「夢ささら」などを栽培。共同育苗を行います。50a区画以上の圃場では、コンバイン3台同時で同一圃場を刈り取り。作業当たりの時間を短縮させ、効率化に努めます。さらに薬剤散布には小型無人機(ドローン)を活用。ドローンを3台保有し、オペレーター4人を確保しています。


 3年で水稲2作―大豆1作を基本としたブロックローテーションを実施。大豆は「里のほほえみ」を作付けます。排水性を高めるため、播種前にハーフソイラーで心土破砕。畝立て同時播種を行い、直後にブームスプレヤーで除草剤をまきます。


 水稲の各圃場には、構成員の中から管理担当者を割り当て。水稲の作柄評価を収穫1週間前に構成員全員で実施します。1筆ごと検見し、収量と品質を調査。評価結果に基づき、構成員に収益を配分しています。


 収量や品質が低下した圃場は原因を検討し、管理担当者を指導するほか、水稲の栽培マニュアルを作成し、全構成員に配布。技術の向上と統一化を図ります。


 沼尾代表は「最初は作柄調査による区分出荷に構成員の不満が出るのではと不安でしたが、きちんと収入に反映していると理解を得られました」と話します。水稲と大豆の収益95%を構成員に配分。従事分量配当に加え、水稲の作柄評価の結果に応じて金額を決めます。


後継者の育成も重点

栽培指針を参考にしつつ、自分なりの営農方法を見つけてほしい」と沼尾代表

 現在、アグリサービスでは後継者育成に力を注ぎます。構成員の後継者に水稲栽培を指導。現場で腕を磨くため、共同作業に従事するよう参加を促します。さらに大型特殊免許の取得に対して、試験費用と講習費の3割を補助する措置を設けました。


 2021年12月、2021年度栃木県農業大賞・農業経営の部で栃木県知事賞を受賞。栽培技術向上の促進や後継者育成などの取り組みが評価されました。


 今後について「米価が下落し、大豆の9割以上を輸入に依存する中、自分たちで生産を強化することが大切です」と話す沼尾代表。「本年度は大豆の面積拡大ともち米の作付けを行いたいです。地元の製菓工場と協力し、おかきの製造など地域のブランド作りに取り組みたいですね」と意欲を見せます。

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