上三川町上三川の「あおき苺農園」(青木清子代表)では、4年前から“ママ友”達の力を借り、スカイベリーを栽培しています。6aから出発した農園は、今シーズン35aに規模拡大しました。

急な遅刻や欠勤に柔軟に対応
「私は4年前まで、町内のアパートで暮らす専業主婦でした」と話す青木代表。父の正一さんが亡くなり、一時は農地の売却も考えましたが、「大型機械を扱う水稲などではなく、イチゴなら営農を続けられるのではないか」「やるからには話題性のあるものを栽培したい」と、2016年、2年前に品種登録されたスカイベリーの栽培を始めました。
温度管理が難しく障害が出やすかったことから、地域の先輩や河内農業振興事務所に対策方法を聞きに行き、JAうつのみやの現地検討会にも積極的に参加。栽培技術を積み上げていったといいます。
「栽培はまだまだ勉強中です。分からないこと、難しいことは集荷場で会うベテランの先輩方に聞いてしまいます」と青木代表は笑います。
農園で雇用する約10人は、子どもの通う幼稚園で知り合った“ママ友”達。全員が農業未経験ながら、温度管理と病害虫防除を重視し、高い収量を目指します。
開園当初から働く従業員は「最初は戸惑いました。カエルやゲジゲジに悲鳴をあげていましたが、今は慣れてしまいました」と笑います。
「作業中も育児のことや家庭のこと、おしゃべりと笑いが絶えません」と青木代表。子どもがまだ小さい従業員が多く、急な遅刻や欠勤にも柔軟に対応しています。

作業の省力化へ運搬法を模索中
メンバーが女性だけということから省力化の方法を常に考えており、現在、肥料や培土を楽に運搬する方法を模索中です。従業員が“楽に=楽しく”作業できる環境を追求しています。
青木代表は2016年に国の農業女子プロジェクト、2017に県の農業女子プロジェクトに参加。農園のスカイベリーから作られたジャム、「KAMINOKAWA SKYBERRY」は2018年、「かみのかわブランド」に認定されました。

「趣味はジャムやアイスクリームなどの加工品を考えることです」と話す通り、形が悪く市場に出荷できないイチゴを加工し、県や県農業大学校のイベントで販売しています。
「消費者から直接感想を聞ける機会は貴重。励みになりますね」と青木代表。
青木代表は「子ども達に一生の仕事として農業を選択してもらえるように、イメージアップにつながる活動をしていきたいです」と話します。