旧黒羽町(現大田原市)の観光を盛り上げるために設置された黒羽観光簗漁業組合では、7月末に2年ぶりにやなを仕掛けました。2019年は台風19号による那珂川の増水でやなが崩壊し、昨年は新型コロナウィルス感染症のため、やなを設置しませんでした。
やなとは、産卵のため川を下る落ちアユの習性を利用し、すのこで造った「落簀(おてす)」に誘い込む伝統的な仕掛け。

やなを設ける那珂川は、アユの漁獲量が日本一で全国的にも有名なため県外から足を運ぶ人が多い。アユは時期によって香りの強さや脂の乗りが異なります。「お薦めは、丁寧に小骨を取り除いて作るアユ釜飯。塩焼きや刺身も人気です」と室井秀夫常務理事(73)は話します。

今年は水害対策や転倒防止などの安全性の確保するため、初めて鉄骨を使用したやなを設置。鉄骨の方が竹より設置・解体の費用が約6割も抑えられるという。
室井常務は「新型コロナの影響で経営も厳しいが、今後とも育成会や自治会などと連携し、地元の人の思い出作りの場を提供していきたい」と話します。

黒羽観光やな
住所:大田原市黒羽向町1639
TEL:0287-54-0087
営業期間:令和3年は5月~1日1月3日
定休日:毎週火曜日(ただし、8月盆と祝祭日は営業)
営業時間:10時~17時(ラストオーダー16時)
ホームページ:
http://www.kurobane-kankouyana.com/