価格変動に頼もしい備え

 鹿沼市深津でホウレンソウ10haとコマツナ40haを栽培する株式会社コバヤシファームは、収入保険制度に加入。小林哲哉代表取締役社長(42)は、「どの保険会社を見ても、農業収入全体をカバーしてくれる商品はありません。茨城県や群馬県の仲間にも制度を勧めています」と力を込めます。

 同ファームは2012年に法人化。正社員4人とパート3人、外国人技能実習生8人を雇用しています。小林代表は「従業員を雇っている以上、作物が全滅し収入がなくなっても給料は支払わなければなりません」と話し、制度の説明を聞いてすぐに加入を決めたといいます。


 小林代表が懸念するのは主に三つのリスクです。

 

 一つ目は自然災害のリスク。同ファームは2013年に竜巻、2014年に雪害、2015年に水害を受けた苦い経験があります。圃場は鹿沼市と宇都宮市、壬生町にあり危険分散はしてありますが、「露地野菜は自然災害を受けやすく、台風や降ひょうなどで一夜にして全滅ということも十分あり得ます。収入保険制度は作物を問わず加入できるのがありがたいです」といいます。

 

 二つ目は価格変動のリスク。スーパーとは価格固定で契約していますが、「今年のように生育が順調だと市場が飽和状態となり価格が低迷し、注文数が減少します。リスク分散のためJAにも出荷していますが、そちらも同様です。こうした価格変動に備えられるのは大きいです」と話します。今年も保険期間中に価格低迷による収入減少があり、日本政策金融公庫からの融資を受けましたが、その際にも制度への加入が加味されたといいます。


 三つ目は規模拡大のリスク。「規模拡大は若手農業者の宿命」という小林代表。地域が高齢化していく中、委託される圃場の数も増えるが、その農地の良し悪しは作付けしてみないとわからない部分が多いといいます。「規模拡大すると、全滅した時の痛手も大きくなります。制度に加入していれば、リスクを恐れず挑戦できます」と強調します。

 「確かに初年度の負担金は大きいので、中には『加入したつもりで負担金相当を貯蓄しておけば何とかなる』と加入を見合わせる人もいます。」と小林代表。


「それでは最近の極端な災害には対応できません。災害は来るものと割り切り、一日でも早く前を向いて動き出すために保険は必要です」と話します。

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