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佐野藍復活プロジェクト 継承と地域活性へ

 2012年に始動した「佐野藍復活プロジェクト」は、かつて隆盛を誇った佐野市の藍栽培と藍染め技術を約100年ぶりに復興しようとする試みです。 

 プロジェクトをきっかけに藍栽培を始めた同市下彦間町の藍農家、小竹利美さんは、「地域の伝統を継承できる点が魅力。栽培農家の増加と、プロジェクトの更なる盛り上がりに期待している」と話します。



 佐野市旧田沼町では、江戸時代後期から藍の栽培や染料「すくも」の生産が盛んでしたが、輸入物の合成藍に押され、明治40年代に藍の栽培が途絶えました。「地元の特産品を復活させたい」との思いから有志約20人によってプロジェクトが始動し、現在は約15戸の農家が藍草を栽培しています。




染料となる「すくも」

 小竹さんは藍草約10aの栽培に加え、すくもを製造する藍師の顔も持っています。栽培するのはより多くの収量が期待できる品種「千本」。1200株から約100kgを収穫します。播種は4月中旬、収穫は7月下旬から。収穫した藍草はハウスで2日ほど乾燥させ、葉と茎に分離します。

 すくもは葉を更に粉状に揉み、木枠で作った室で約100日間発酵させた後、搗き固めて生産します。均一に発酵させるため週に一度は天地返しを行いながら、市内の藍農家から仕入れた分と合わせ、年約200kgのすくもを生産しています。



 小竹さんは「下彦間町は中山間地で、担い手のいない小規模農家が多い。シカやイノシシによる食害が悩みの種だった」と話します。「藍草は食害を受けにくく、乾燥用ハウスがあれば特殊な機械などを購入する必要もない。伝統を継承できる点、全国の染師との交流で見聞が広がり、やりがいを感じている」と話し、耕作放棄地を活用しての栽培面積増加に熱意を見せます。


 小竹さんのすくもは、全国の染師の元へ出荷されます。すくもに灰汁を加え発酵させて染料とする、伝統的な正藍染めを行う同市閑馬町の「正藍染大青(たいせい)」もその一つ。制作したハンカチやストールなどを、矢板市のギャラリーと佐野市観光物産会館で販売しています。


佐野市観光物産会館
ハンカチの藍染め中

 2024年2月には、日本の伝統素材をテーマにニューヨークで開催されたファッションショー「SAKURACOLLECTION」に「佐野藍=SANOBLUE」の布地を出展し、成功を収めました。

 染師の清水久美子さんは、「正藍染めにはよいすくもが不可欠。プロジェクトを通じ、藍農家や藍師が増え、藍業界の裾野が広がれば」と期待を込めます。


©SAKURA COLLECTION

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