エネルギーの地産地消へ イネ科「エリアンサス」をペレット燃料に


 さくら市喜連川で木質ペレット製造などを手掛ける株式会社タカノは、市の耕作放棄地8haにイネ科多年性植物のエリアンサス「JES1」を栽培し、自社加工設備で葉や茎をペレット燃料に加工しています。

エリアンサスを原料としたバイオ燃料の実用化は世界初です。現在は市営温泉施設のシャワー用ボイラーに使用されています。


同社の髙野誠代表取締役は「灯油に代わり、JES1と間伐材を50%ずつ混合したペレット燃料を使っています。将来的には全量JES1のものに切り替えられれば」と話します。

 JES1は機械収穫効率と雑草化リスクの低さを重視し、農研機構と国際農林水産業研究センターが共同育成した国内栽培用品種です。

 春に播種し、1年ほどの育苗期間を経て、翌年の4月~7月の定植します。2年目から収穫可能となり、水分量が30%ほどになる1月~3月に収穫を行います。


寒さや多湿土壌を嫌うが、越冬できる気象条件であれば、九州から東北南部低標高地で栽培が可能です。特に畑地での栽培が好ましいといいます。 


 栽培中は雑草防除と追肥をすれば灌水と病害虫防除もほぼ不要です。鳥獣害を受けにくいのも魅力の一つです。


農研機構・畜産研究部門の小林真飼料作物育種ユニット長はJES1について「10年以上毎年収穫可能で他の食用作物と競合しないこと、ペレットにした際の熱変換効率がほぼ100%であるなどの特徴があります」と話します。

 草丈が4mほどになるJES1の収穫は、汎用型微細断飼料収穫機SMR1020を使用します。圧縮することで、課題だった貯蔵・運搬の部分をクリアしました。収量は10a当たり2.5t前後、ペレットでは2tほどになります。運搬費を含め1kg 45円で販売しています。


 農事組合法人さくら市エリアンサス生産組合の渋井康男代表理事は「CO₂(二酸化炭素)削減だけでなく、このエネルギーを利用した園芸施設作物を特産品にできれば雇用も生まれると思います」とエリアンサスに期待を寄せます。


 髙野代表は「県内だけでなく、九州から北海道まで視察を受け入れている状態です。今後は需要を見極め規模拡大し、エネルギーの地産地消を実現させたいです」と意気込みます。

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