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かんがい整備圃場でキャベツなど野菜輪作

 益子町塙の農業生産法人株式会社ジーワンでは、国のかんがい排水設備を活用し、キャベツを中心にレタス、ニラ、タマネギなどの輪作体系を確立しています。


 設立当時社員5人、経営面積3haだった同社は、パート・アルバイト含め従業員19人、3市町で24haを手掛ける企業へと成長ししました。の吉岡祐弥代表取締役(41)は社名について「Grade1、Ground1、Global1」など、様々な思いが込められています」と話します。

 吉岡さんは15年前、勤めていた人材派遣会社で人材の飽和状態と農業分野での担い手不足に直面。那須町の農業資材メーカー・株式会社関東農産と共に両問題の解消のため、2009年にジーワンを立ち上げました。


農業への企業参入と失業者雇用を支援する県の「ふるさと雇用再生畑作経営モデル事業」を利用しました。


 十分な用水が確保でき、かつ将来的に大規模化が見込める農地を県農政課に打診。益子町上大羽の丘陵地帯を紹介されたといいます。

 

 上大羽地区が位置する芳賀台地は2006年、受益面積2,750haの国営かんがい排水事業が完了。2011年には県の戦略作物基盤整備事業により畑地かんがい施設が整備され、スプリンクラーや散水チューブが設置可能となりました。

 

ジーワンでは、丘陵地の下にあるため池近くに給水施設を整備し、防除用水として利用する他、夏季の干ばつ時の灌水が可能となり、安定生産と計画的な出荷に取り組めるようになりました。

 現在はJA以外にも野菜仲卸業者や野菜加工業者、惣菜専門業者など十数社との取引があります。


「社員は全員農業未経験で、始めは雑草対策が行き届かなかったり、防除時期を誤り作物を枯らしてしまった事もありました」と話す吉岡代表取締役。



 種苗店や農業振興事務所、さまざまな産地を抱える取引先の担当者に、土に合った品種や農薬の散布時期などのアドバイスを受けながら栽培のノウハウを培っていったといいます。

 「2011年以降は、ため池から水を運搬する労力が軽減されました。現在、キャベツや加工用トマトなど既存品目の機械収穫や、始めから機械化可能な品目の栽培を模索しています」と機械化・省力化に意欲的です。


 「農地が決まる前に、上大羽地区をこっそり見に行ったことがありました。日当たりの良い傾斜地があって、『こんな場所で農業を始められたらいいな』と思っていた土地が、町の人達が用意してくれていた一番いい畑でした。すごくうれしかったですね」とほほ笑む吉岡代表取締役。


「お借りした土地をしっかりと守って、お客さまのニーズに応えられるよう安定生産に努めていきたい」と話します。

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