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2012年9月1週号トップ
農業守る集落の力 農事組合法人まがのしま


農事組合法人まがのしまの構成員 前列右が佐山代表理事、後列左から2人目が佐山理事

 近年、集落営農が増えている。その根底には地域の農業を守りたいという思いがある。
 「農事組合法人まがのしま」は、2011年3月に設立された。何もないところから始まって2年目。安定した経営を行うため、様々な課題を克服しながら新たな一歩を踏み出している。

 岩舟町曲ヶ島は、水稲・麦・大豆栽培がさかんな地域。しかし、後継者が少なく、このままでは耕地の荒廃が進むことから、集落営農を望む声が大きくなっていた。

 2006年に集落営農説明会を開催。その後、自治会の全農業者を対象に農業意向調査アンケートを実施、農事組合法人設立に向けて準備を進めてきた。同法人の佐山卓代表理事(64)は「農事組合法人は営農集団や機械利用組合などを経て設立される例が多いですが、我々は何もないところから始めました。そのため、『なぜ法人を設立する必要があるのか』という声が多くありましたが、地域農業を守るという思いのもと、40回近く話し合いを重ねました」と話す。

 その結果、19人の構成員が賛同し、11年3月4日に「農事組合法人まがのしま」が設立された。法人が経営する面積は72ha。「コシヒカリ」やビール麦を中心に栽培している。同法人の佐山耕基理事(46)は「法人設立後、すぐに東日本大震災があり、波乱のスタートになりましたが、曲ヶ島には昔のやり方や慣例がなかったため、比較的早く法人設立にたどりつけたと思います」と振り返る。

 課題もある。耕種品目では年間を通して安定収入を得るのが難しい傾向にある。また、これから経営面積を増やしていくためには構成員の数も足りない。加えて、構成員の高齢化も進んでいる。
 「安定収入の確保に向け、今年からニラ栽培を始めました。人材は新たに募集する予定で、農業大学校などに採用を呼びかけています。非農家でも農業を本気でやっていただける人なら喜んで採用したいと思います」と佐山理事。

 さらに、自分たちの取り組みを外部に発信する重要性に触れ、広報活動にも力を入れていきたいという。佐山代表理事は「会社組織である以上、利益を出さなければ倒産してしまいます。仲間との絆を深めながら、事業の効率化と人材育成を両輪にして、これから集落営農を始める地域の見本となれるような経営を行っていきたいです」と話す。

農事組合法人まがのしまのHPは こちら